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神山健治の映画は撮ったことがない~映画を撮る方法・試論

「ーーすると『泣かせる構造』はこういうことになりますか。一人の病人がいる。彼女は、病気が治ったらあれもしたい、これもしたいと夢を語る。でも、それを聞いている彼女の婚約者と観客は、彼女の命がもう長くはないことを知っているーーと。

神山「--そう。観客には構造が見えているけれど、登場人物には見えていないということが、まず大事なところなんです。そして、彼女が自分が長らえられないという事実を知った時ーーそれは死の瞬間でもいいんですけどーー観客のエモーションが解放されるわけです」

 

神山健治の映画は撮ったことがない~映画を撮る方法・試論 (STUDIO VOICE BOOKS)

神山健治の映画は撮ったことがない~映画を撮る方法・試論 (STUDIO VOICE BOOKS)

 

 「たとえば本当の拳銃って、構えても「カチャッ!」って音はしないわけですよ。音がするくらいパーツがしっかり組み合ってない拳銃なんて、実際にあったら危なくて使えない(笑)。でもアニメの場合、ああいう音がしないとどうしても雰囲気が出てこない」

 

長年アニメ監督として実績を積み上げてきた神山監督によるアニメ・映画制作論的な書籍。

若いころに山のように企画書を書いて各所に持って行ったが、全く相手にされなかった話とか、アニメ監督として独り立ちしたあとも、「もしハチクロが僕のオリジナル脚本だったらアニメ化してもらえますかね?」と聞いたらプロデューサーに「主人公の性格が地味すぎるから無理だろうねえ」とあっさり却下される体験談とか興味深いエピソードが沢山あって読み応えありました。