くずばこに箒星

「隠しごとと絆は両立しない。知ってるか? 何かを隠せば壁ができる。壁の向こうの相手は見えなくなる。相手が何を思っているかわからないってのは苦しくて、最後には必ず憎しみが生まれる。これは本当だ」

 

くずばこに箒星 (集英社スーパーダッシュ文庫)

くずばこに箒星 (集英社スーパーダッシュ文庫)

 

 「私は、おそうじに救われたから」

(中略)

「掃除に救われた?」

「(前略)ねぇ知ってる? 人って、生きる中で頭や心の中にだんだんとごみを溜めていくんだと思うの。みんなそれが重荷で邪魔で、いつも外へ出したいと願ってる」

(中略)

「私にとってのそれは、自分では何もできないっていう記憶や経験だったんだけど、それがいつも私の行動や考えを操って後ろ向きにさせてた。でもおそうじを通して私は少しずつ前向きになれて、それってその辺に落ちてるごみと一緒に、頭や心の中のごみもおそうじできたってことなんじゃないかなって思うの」

 

 新人賞受賞作品だけあって、作者が書きたいものを全て詰め込んだぎゅうぎゅう詰め感がすごい。

読みやすいとは言えないけど、作者の熱い思いは伝わって来る。

この熱量をうまく処理して、作家として成長できるのか期待したい。

 

 

 

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