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氷の国のアマリリス

「・・・・・・前にさ」

(中略)

「こんな質問をしたよな。--『半分こ』にできない場合はどうする? って」

(中略)

「おまえはこう答えたよな。--バッテリーが一個しかないなら、全部あげる。そうすればお互いに一回ずつ命を助けたから、おあいこーーつまり半分こ」

「う、うん・・・・・・」

(中略)

「おまえは『半分こ』の未来って、言うけどよ・・・・・・。もっと欲張りでいいと思うんだ。おまえの人生はおまえだけのものだ。誰にも半分にはできない。全部、おまえのものなんだ。それは誰にも譲れないものなんだ」

(中略)

「お屋敷を出てから、俺は生きた心地がしなかった。亡霊のように街をふらふらとさまよう日々だった。・・・・・・だけど村に来て、おまえに会って、俺は蘇った。おまえはいつだって真面目で、誠実で、素直で、純粋で、誰よりも頑張りやで・・・・・・そんなおまえが好きだった。そばにいて、俺は幸せだった。・・・・・・だから」

 最後は優しく微笑んだ。

「命がひとつしかないなら、全部おまえにくれてやる。そして俺はおまえの愛を全部いただく。これでおあいこーー半分こ、だ」

 

 地球に氷河期が訪れ、残った人類はコールドスリープを選択。人間が眠っている間の機械のメンテナンスを人型ロボットたちに託すのだがーー。

電撃文庫が誇る「号泣作家」の松山剛先生の作品だけあって、今作も泣けます。

号泣ラノベの代表作である「雨の日のアイリス」にも負けない本作。

梅雨空のように泣いてスッキリしたい人たちにオススメのラノベと言えるでしょう。

 

雨の日のアイリス (電撃文庫)

雨の日のアイリス (電撃文庫)