MASTERキートン Reマスター

キリスト教の神とギリシアの神のちがいはなんだと思いますか。」

「ん・・・・・・?」

キリスト教の神は人の行動に正義を求める。常に理由と答えを求める。

 でもギリシアの神々は逆です。人をわざと理由や答えのない行動へと駆り立てる。」

「そ・・・・・・それと、今の私とどう関係が・・・・・・!?」

トロイア伝説の最後の謎・・・・・・戦争の元凶たる妻を、なぜ夫が許したか。

 理由なんかない。ただ許したかったから許したんですよ。(後略)」

  

 「初めての戦闘・・・・・・おぼえてるかい?」

「忘れられないよ。」

「雄々しく戦った自分を誇りに思うかい?」

「いや・・・・・・二度と思い出したくないよ。」

「俺もだ。人はあれを〝我が国固有の領土〟のための大義ある戦争だったという。でも・・・・・・戦った俺に残ったのは、後悔だけさ。」

「・・・・・・・・・」

「戦争は頭の中の羅針盤をくるわせる。何が善で何が悪かわからなくする。(後略)」

 

 

 20年ぶりの単行本でマスターキートンが戻ってきた。

しかし前作のラストでドナウ川流域に残る遺跡を発掘し、華々しい考古学者人生を歩んでいると思ったら、学会からは相手にされず、自身もドクターの資格も未だに取得できずと、なかなか上手くはいっていないのは何か意外だった。

作中でも語っているけど、シュリーマントロイア遺跡を発掘しても学会がそれを認めたのは、つい最近の2001年のことなんだってね。

考古学上の新発見が正式に認められるのはそれだけ難しいってことか。