されど罪人は竜と踊る

「人間には何かが出来る」というお題目は、哀しみに直面した人間にとっては、「自分は何かを出来たのではないか? これから何かをしなくてならないのではないか?」という強迫的な焦燥感と罪悪感を背負わせる。

 個人とは世界の微小な部品に過ぎないのに、世界の全ての責任を受け止めてしまう。

 誰の責任でもない、とは言い切れない。

 必ず誰かが何かを行動する、もしくは何かを行動しないからこそ事象因果は発生する。それを理解し、感じられるがために、その誰かの位置に自分を置いてしまうのだ。

 

されど罪人は竜と踊る 1 ~Dances with the Dragons~ (ガガガ文庫)

されど罪人は竜と踊る 1 ~Dances with the Dragons~ (ガガガ文庫)

 

 「君が何も行為しないと言っても、何もしないという行為を君は行為している。君が何も選択しないと言っても、何も選択しないという選択を君は選択している。

 ここまで言わないと、私が答えないという答えを出しているのが理解不可能なのかね」

 

  ある説によると「泣く」という行為は、実は自分のためにしかできないそうだ。

 たとえ愛する人の死でも、愛する人が死んで哀しんでいる、その自分が可哀相で人間は泣いているのだという。

(中略)

 不完全に生きる、どこまでも孤独な人類だけが、泣くのだろう。

 それしかできないがゆえに。

 それはとても悲しいことだ。

 我等の哀しみはそれ自体が紛い物だ。

 それはとても哀しいことだ。

 

されど罪人は竜と踊る (角川スニーカー文庫)

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されど罪人は竜と踊る (カドカワコミックスAエース)

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 ここまで読みにくいラノベを読むのもひさしぶりだ。

しかし読みにくさを越えたところに面白さがあるのも事実。

 続きを読むかと問われると悩ましいところ・・・。