死なない生徒殺人事件―識別組子とさまよえる不死

「赴任したての頃はモテるんですよ」

「へぇ。受村 君もモテたの?」

「そりゃもう。僕が赴任したての頃は、よく背中に広末涼子と書かれた紙を貼られたりしたもんです。当時は嫌がらせとしか思えなかったですけど、今となってはあれも愛情表現の一種だったんだなぁって解ります」

 好きな先生の背中に広末涼子と書いた紙を貼るという因習がこの地域にはあるらしい。

 

 「そういえば、まだ寮って行ったことないな」

「暇なら行ってみたらどうですか? きちんと準備して行けば、寮も怖くないですよ」

「準備って・・・・・・しないで行くとどうなるの」

「襲われます」

 

 「お前は、いつから永遠の命を持っているんだ?」

(中略)

「驚いたなぁ」

「何が?」

(中略)

「その質問はかなり核心を突いているよ、伊藤先生。永遠の命とは永遠だ。なら永遠とは何か。永遠とは無限だよ。だからこそ、その質問は核心を突いている。無限の始まりを聞くことは、無限の本質を試す事に他ならない。(後略)」

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 「私は、教育の限界は〝自分〟だと考えています」

「自分?」俺は首を捻る。「どういうことです?」

「私達は自分の事しか教えられない、という意味です。どんなに頑張っても、自分の知っている事、自分の持っているもの、自分を構成するもの、それ以上の事は一切教えられない。物理的にもそうですし、論理的にもそうです。教育の限界というのは、自分自身という境界なんです」

「自分自身という境界・・・・・・」

「だから、人に物を教える時はまず自分が勉強しないといけません。自分が学ぶ事と相手に教える事は直結しているんです。インプットとアウトプットの無限の繰り返し。それが教育の本質であり、同時に教育の限界でもあるのだと、私は思います」

 

とある学園で永遠の命をもつと自称する女子高生が殺される。

しかし彼女は別の生徒に乗り移って甦る。

永遠の命の謎とは?

彼女を殺した犯人の正体とは?

最後のオチは「世にも奇妙な物語」風になってしまったのが、この作者らしいと言うべきなのだろうか。

 

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