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舞面真面とお面の女

「お前はあれだな。お伽噺に出てくるような、人間になりたい妖怪だよ」

 みさきは真面を、妖怪と言った。

「私は、お前以外にもそういう類の人間に会った事がある。たまぁにいるよ、そういう奴は。世間とずれているのを、処理する力で無理矢理是正して生きているような奴な。(中略)一生仮面をかぶって、仮面を付けたまま死ぬだけだ。そこには善しもなければ悪しも無い。誰も気付かんさ。誰もな。ただし」

(中略)

「そういう奴に出会ったら、面を割ってやる事にしている」

(中略)

「面のキャラなんぞ、私一人で充分だからな」

 

舞面真面とお面の女 (メディアワークス文庫)

舞面真面とお面の女 (メディアワークス文庫)

 

 「退屈で退屈で死にそうなんだ。僕を驚かせるようなことが、この世界には何もない。ならばせめて、通りがかった奴とでも遊ばなければ、詰まらな過ぎて死んでしまう。そうは思わないか? それとも」

 真面がみさきを見た。

「君との遊びも、もう終わりか?」

「ふは」

 みさきが笑った。

(中略)

「いいや、終わりではない」

 みさきが自分の面を押さえて、くつくつと笑う。

「じゃあ、もうしばらく遊ぼうか」

「そうしよう」

 

 とある旧家に残る三つの謎を解き明かすミステリー。

謎の解き方が強引ってレベルじゃないけど、この作者はミステリーを主軸に置いてない作風の作家らしいから仕方ないのかもしれない。

最後は超常現象的な結末になったのは意外というべきか。