俺TUEEE系の先駆者、菊地秀行について

“ラノベの神祖” 菊地秀行について - あざなえるなわのごとし

先日、菊地秀行ホッテントリしている珍しいブログ記事があったので便乗してみる。

もはや、世間一般には菊地秀行と言えば一昔前の作家みたいな扱いかもしれないけど、昔はすごかった。今、ラノベ界隈で大流行の俺TUEEE系の先駆者と言ってもよい人かもしれない。

今では弟の菊地成孔の方が有名になってしまった感があるが、菊地成孔を育てたのも菊地秀行という偉大な兄がいたからと言っても過言ではない。

 

「銚子の歓楽街のど真ん中の料亭に生まれました。16歳年上の兄貴がいて、僕が物心ついたときには東京の大学に行っていたので、ひとりっ子同然で育った。たまに帰って来る兄貴のために、部屋はそのままにしてあって。兄貴は当時のオタクです。すごい量の本やレコードを収集してた。だから僕にとってはプライベートな図書館とか博物館みたいなもんですよ。そこが好きで、僕はほとんどの時間を過ごしてた」

 

菊地成孔の兄は小説家の菊地秀行氏。港町の一室で50~60年代文化のエッセンスが密かに受け継がれたのだった。

 

 

「今でいう“お宝”だらけ。筒井康隆が連載を始めたばかりの『SFマガジン』とか、園まりのレコードとか。16歳分のカルチャーギャップが一気に襲いかかってきた。置いてあったポータブル・プレイヤーで、誰に教わるでもなくレコードをかけて一日中聴いてた。クレイジーキャッツ、映画『エデンの東』のサントラ盤、一度聴き始めると100回は繰り返し聴いてた。それはもう気絶しちゃうくらい天国的な経験だった。子どもの耳はスポンジですから、音楽がどんどん脳に吸い込まれていく。今の自分の音楽やカルチャー観のベースは、そこで培われたと言っていい」

菊地成孔 | web R25

 

 僕には16歳離れた兄がいて、小説家の菊地秀行さんっていうんですけど、僕が3歳のときには19歳。彼は大学を出ているので、その頃はもう受験の為に上京して実家にはいなくて、僕が物心ついたときには兄貴の部屋は空き部屋でした。小説家になるような人ですからオタク第一世代というか、物質主義のアタックを戦後に最初にくらった世代ですよね。今59歳ですから全共闘ど真ん中。ちなみに彼はノンポリで闘争は一切しなかったそうですが、外国映画とかが好きで、50年代中期から60年代初期、中期にかけてのユースカルチャーの重要なものがいっぱいあったんです。僕の実家は典型的な文化住宅でしたけど、そこはまるで図書館みたいな博物館みたいな場所。音楽もその部屋で初めて聴きましたし、小説もその部屋で初めて読みました。

菊地成孔/Kikuchi Naruyoshi インタビュー ストリートファッション マーケティング ウェブマガジン ACROSS(アクロス)

 

兄の部屋にSPのいわゆるポータブルプレイヤーがあったんです。それで初めて聴いた兄貴のコレクションで、もう失神するぐらいの感動というか、音楽を聴くっていうことが、こんなに身体的な快楽があるんだっていうことを知り、ずっとそれで聴いてた

菊地成孔/Kikuchi Naruyoshi インタビュー ストリートファッション マーケティング ウェブマガジン ACROSS(アクロス)

 上記のインタビューを読めば、菊地成孔の基礎を作り上げたのは兄である菊地秀行が実家の自室に残した膨大なコレクションであることがわかる。

 

あまりにも似たような話を書き過ぎた上 

2000年頃から猫も杓子もジルガと言う創作武術を使い始めて 

菊地劣化した、何読んでも同じと言う感想が菊地スレで増え 

 

読者もどんどん離れて行った…… 

菊地秀行のように超俺TUEEE作品やっても叩かれない作家と叩かれる作家 何が違うのか : ラノまと―人気ライトノベルまとめ!

しかし、上記のように2000年頃から信者でさえも何読んでも同じという作品内容の急激な劣化が始まり、描写はぬるくなる一方で、凡作続きで、現在の菊地秀行作品は何ひとつオススメするものがないという悲惨な状況になっている。

 

そんなわけで個人的にオススメなのが2000年以前の菊地秀行作品なのである。

この頃の作品はどれも油が乗り切っており、傑作だらけ。

菊地秀行は2000年以前の作品をまず読めと言うことで何作かオススメしてみる。

 

 

 まずは、マン・サーチャー・シリーズ『魔界都市ブルース』。

美貌のせんべい屋兼人探し屋の妖糸使いの秋せつらが主人公の短編シリーズ。

1巻から7巻までは評価が高いが、2001年発売の8巻からは評価がガクリと落ちる。

読むなら7巻までか。

 

 

魔王伝〈1〉双鬼編―魔界都市ブルース (ノン・ポシェット)

魔王伝〈1〉双鬼編―魔界都市ブルース (ノン・ポシェット)

 

 魔界都市ブルース長編でオススメなのが、まず『魔王伝』。

幼馴染の男二人が世界の命運を賭けて宿命の戦いを繰り広げる。

BL的な展開ながら清濁全ての欲望が混沌と混じり合う世界は必見。

 

 

 次は、菊地秀行最長作にして最高傑作との呼び声高い『夜叉姫伝』。

吸血鬼物バトル小説としては、ひとつの頂点を極めた作品と言っても過言ではない。

 

死人機士団〈上〉 (祥伝社文庫)

死人機士団〈上〉 (祥伝社文庫)

 
死人機士団〈下〉 (祥伝社文庫)

死人機士団〈下〉 (祥伝社文庫)

 

 菊地秀行のライフワーク吸血鬼と双璧をなすもうひとつのモンスター、フランケンシュタインの怪物を取り上げた本作もまたフランケンシュタイン物としては並ぶものがない傑作と言えるだろう。

 

 秋せつら以上に無敵な主人公の魔界医師メフィストシリーズでオススメなのは、まず『闇男爵』。初めてメフィストが危ないかもしれないと思わせる強敵の一人であった。

あっただけなんだけど。

 

魔界医師メフィスト―魔女医シビウ (角川文庫)

魔界医師メフィスト―魔女医シビウ (角川文庫)

 

 メフィストの兄弟弟子であるシビウも、メフィストに対する最初の女ライバルと言えるだろう。

 

他にも『吸血鬼ハンターD』シリーズもオススメなんだけど、どれか一つと言われるとイマイチ浮かばないので、まあ今回はいいや。