読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

終わりのクロニクル1〈上〉

「いいかね?--君は、私と敵の命の天秤を迷った。これは正しいことだよ」

「そ、そんなことはないよ。何が大事か判断できずに動けなくなっただけじゃないか」

「人の命を判断できるのは、間違っている人間だけだ」

 

終わりのクロニクル1〈上〉   電撃文庫 AHEADシリーズ

終わりのクロニクル1〈上〉 電撃文庫 AHEADシリーズ

 

 「もし佐山君が、本気になれることや、本気になれる人を見つけたら、そのどちらも壊さず、恐れないようにね。そして・・・・・・」

(中略)

「なかなか本気になれない人が、本気になったとき、--とても強い力を出すの。本気になれないと思うことは、本気になろうと常に思っていることだから」

 

 

「優れた者に勝利を望む欲は必要ないのです。永遠に強くなるためには勝利など不要かと」

「それは誰の言葉かね?」

「--存じません。ただ、私に刻まれております」

 

 

「私は主人のために生まれました。私の鉄は彼の骨に、私の鎖は彼の肉に、私の油は彼の血に、私の決断は彼の心に捧げております。が、一つだけ、彼は、私ごときでは何も捧げられぬものを持っておられます」

 円を繋げ、その接点に銃口を置き直す。

「涙。・・・・・・それに対しては、感情のない私には返すものがありません。ゆえに、私は主人の涙を欲しません。欲するは涙滴不要の結果のみ」

 銃口が上がった。

「骨には鉄を、肉には鎖を、血には油を、心には決断を、そして涙にはーー」

 一息。

「無欲を」

 
終わりのクロニクル - YouTube
終わりのクロニクル~regalia~ - YouTube

 もはや書籍の分厚さしか話題にならなくなってしまった川上稔作品ではあるが、

終わりのクロニクル」の初期はまだおとなしい分厚さを保っている。

まあ最終巻には例によって1000ページ越えの辞典みたいな厚さになるわけなんですが・・・。