さまよう神姫の剣使徒

「・・・・・・あー、もう、どこから突っ込んだもんかね。とりあえず、『人』は取り扱ってない。人身売買は街の法で禁止されてる」

「なら問題なかろう」

 うむと肯き、続ける。

「ティナは人ではなく神姫なのだから、法には抵触しない。いわば神身売買だ」

「神様も取り扱ってねえよ」

 

 

 

「さすがはご主人だ! 冷血などと言ってすまなかった!」

 そうだな、とユウキは思う。冷血なのではない。

 単に臆病なのだ。何かを口実として利用しなければ、他人に踏み込めないくらいに。

 

 

 HJ文庫で二作の長編を完結させた実績のあるベテラン作家だけに手堅く面白い。

最近流行の迷宮探索モノにしっかりと自分の持ち味を投入する当たりはベテラン作家らしい余裕を感じる。

残念ながら挿絵がなかったのは移籍組ということで軽く見られたのかなーという気はするが、この作品が売れれば、そのうち挿絵も入れてもらえるようになるのではないだろうか。

すでに5人いる神姫に6人目の神姫が新たに表れるという展開は「六花の勇者」あたりを意識したのかな。

 

 

六花の勇者 (六花の勇者シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

六花の勇者 (六花の勇者シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)