コレクターズ 1

「あ、ねぇそういえば忍、髪型変えた私のこと今日、すぐ分かった?」

「うん?だって、私の方に向かって歩いてくるのが、貴子じゃん」

「・・・え、それって、私が向こう向いて立ってたら分からなかったってこと!?」

「そりゃ・・・分からないんじゃない」

「なによそれ!」

 

「でもさ、そーゆーもんじゃないのかな」

「ん?」

「・・・貴子が忍の方に向かってきてさ、忍がちゃんと、そっちを向いてて受け止めるっていうのがさ。そうやって、お互いのベクトルが向かい合ってるっていうのは多分特別なことなんだろ」

 

 

 

コレクターズ 1

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「・・・ええと、関崎さんは『雨』っていう絵知ってる?日本画。教科書とかにも載ってる」

「さあ・・・知ってるのかも知れないけど覚えてない」

「私、昔それを見たことがあるんだ」

(中略)

「それでね、その絵を見た時、私、頭が痛くなる感じがしたんだ」

「雨の日の、感じそのまま ?」

「ああ、仁藤さん血圧低い人」

「うん」

「瓦屋根の灰色に雨が落ちてくるのが、もうね、半分記号なんだよ。日本家屋を知らないと何が描いてあるか、きっと分からない。もちろん美しい、それは日本語以上に、日本語でね。見えない灰色の空と、あのじんわりした空気を、私の体は目で見て感じた。あの感覚を超える言葉を、私はまだ紡ぐことが出来ない。だからね、アートは私にとって言葉以上のものが存在する戒め。いつか、世界一のお金持ちになったら、あの絵を側に置いておきたい。そういう憧れ」

「・・・・・・じゃあ私はいつか、世界一のお金持ちになったら仁藤さんみたいな人を側に置いておきたいな」

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「きっとね、世界一のお金持ちになっても一番自由にならないものは”他人の時間”」

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足立区綾瀬美術館 annex |福田平八郎「雨」(福田平八郎と日本画モダン)

 

本好き女子と服好き女子による大人の女性同士のラブストーリーみたいなマンガ。

本好きとしては読まざるを得ないみたいな気がした。

 

 

 

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