クロス×レガリア 嵐の王、来たる

「あの、新しい白翁が、好きなのか?」

「・・・・・・あぁ、そんなことか」

 学生服の〈おに〉の質問に、白いワンピースの少女は困ったように微笑した。

「好きになっちゃいけないだろう?キミの言うとおり、私は鬼仙で、彼は人間だよ?」

 それきりで、身を翻した。 

 再び、気配が消え去ってから。

 

「・・・・・・それはもう、答えだよ」

クロス×レガリア 嵐の王、来たる (角川スニーカー文庫)

クロス×レガリア 嵐の王、来たる (角川スニーカー文庫)

「君は、僕に奇蹟をくれたもの」

 兄を倒すとか倒さないとかではない。

 もっと大事なこと。

 もっと大切なこと。

 兄が、他人に執着していたあの姿。不可能だと思っていたことを、目の前でひっくりかえしてくれたあの光景こそ、得難い奇蹟だと、北斗は思ったのだ。

 

「ありがとう、馳郎」

 

 もう一度、少女が笑った。

 それは馳郎にとって、十分な報酬と思える笑顔であった。