世界平和は一家団欒のあとに

「癒してあげる」

「え?」

「だから、癒してあげるよお兄ちゃん。私の回復魔法で」

「俺は・・・・・・怪我してない」

 応じず、美智乃は歌うように言葉を紡いでいく。

「その傷ついた心を癒してあげる。今までお兄ちゃんを苦しめてきたものを取ってあげる。軋奈お姉ちゃんのことで悩んで傷ついてぼろぼろのお兄ちゃんの心を癒してあげる。もう夜うなされたり、隠れてこっそり吐いたりしなくていいんだよ?」

「美智乃・・・・・・」

「『祝福』の能力で、お兄ちゃんを癒し尽くしてあげるよ」

 そして、美智乃はゆっくりと振り向いた。その笑顔は綺麗で、毅然としていて、純粋な決意に満ちていて、美しくて、本当に天使のように見えた。

 妹の成長をこんな形で感じるなんて。

世界平和は一家団欒のあとに (電撃文庫)

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