零崎曲識の人間人間

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「悪くない。クラシックというのは音楽家にとってどんな場合においても褒め言葉だ」

「そうか?クラシックって、古典って意味だろ?穿った見方をすりゃ、古臭いって言われているようなもんじゃねえか」

「違うな。クラシックとは、本来一級という意味だ。そのような作品が古典にしか存在しないから、それらがイコールで結ばれたに過ぎない」

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「まだ言ってなかったがーーそいつはついこないだまで、俺らの世界とは何の関係もねえ、ごくごく普通の一般人だったんだ。普通の女子高生だったんだよ。それがーーいきなり両手を失って、辛くねえわけがねえんだ」

「・・・・・・・・・・・・」

「会ったばかりの俺に、風呂やらトイレやらの面倒まで見られてよ。そんなの、俺もやだけど、向こうのほうがやだろ。なのにあいつは、涙のひとつも見せやがらねえーー明るくってうるさくって、ひとりの癖にかしましくって、仕方ねえ。なあ、曲識のにーちゃん。俺は」

天上を見つめたままで、人識は続けた。

「俺はそれが、我慢ならない」

「・・・・・・人識」

「大した裏づけもねー癖に頑張っちゃってる奴を見ると、俺は挫けさせたくなるんだよ。俺はあの女が泣くところを見たくて仕方ねえ」

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「ある程度を超えた、逸脱した強さってのは、ただ利用される存在になっちまうって話だよ。他を蹂躙できるような存在じゃなくーーただ、有効活用されるだけのものになっちゃうんだよ。戦闘機とか?核兵器とか?そんな感じだ。もうあれって、存在としての存在であって、強さって感じじゃねーだろ?同じことだ。言っちまえばーー強さなんてのは、ただのキャラ付けだってことだよ」

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